Hello! イングリッシュスプラッシュのカーティスです。
本日は、、、非認知能力に関して!
テストなどで、測ることができる認知能力と数値化できない非認知能力、、 本当に非認知能力って大切なの?というご意見をチラホラいただきます。そこで今回は非認知能力が注目され始めた経緯についてご紹介いたします。
ご一読いただければ幸いです🙇
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非認知能力が注目されるきっかけになった研究が、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ベックマン教授がおこなった「ペリー幼稚園プログラム」です。
この「ペリー幼稚園プログラム」は、子どもの将来(年収や雇用、持ち家率など)に本当に重要なのは、IQなどの認知能力ではなく、意欲や忍耐力、自制心などの「非認知能力」なのではないかと、今までの”IQ神話”にメスを入れるきっかけになった研究でもあります。
非認知能力を語る上では欠かせない研究なので、以下で簡単にわかりやすく解説していきます。
ペリー幼稚園プログラムと非認知能力の重要性
「ペリー幼稚園プログラム」は、1960年代から開始された調査です。
(40年以上の追跡調査となっており、教育関連の研究では最長ともされています。)
この実験では、アフリカ系米国人の3~4歳の子どもたちが対象となり、その子どもたちやその家庭に対して、以下の就学前プログラムが施されました。
①幼稚園の先生は修士号(大学院卒)以上の学位を持つ児童心理学等の専門家に限定。
②子ども6人を先生一人が担当するという少人数制
③午前中に約2・5時間の読み書きや歌などのレッスンを週に5日、2年連続受講。
④1週間につき、1・5時間の家庭訪問
ペリー幼稚園プログラムでは、上記のようなとても手厚いサポートをされました。
また、これに加えて、親御さんに対しても子育てのアドバイスをすることで、“親御さんが学べる機会”を積極的増やすようにしました。
そして、このペリー幼稚園プログラムを受けた子どもと、残念ながら受けることができなかった子どもとの間で比較がおこなわれました。
その結果、このペリー幼稚園プログラムを受けた子どもには以下のような特徴が見られました。
●6歳時点でのIQが高い
●19歳時点での高校卒業率が高い
●27歳時点での持ち家率が高い
●40歳時点での所得が高い
●40歳時点での逮捕率が低い
つまり、ペリー幼稚園プログラムによる幼児期の介入は、その子どもの学歴や雇用、経済状態などに継続的に影響を及ぼすことがわかったのです。
また、このペリー幼稚園プログラムで、実はもう一つ興味深い結果が得られました。
プログラムを実施したヘックマン教授が注目したのが「子どもとその学力やIQ」です。
ペリー幼稚園プログラムによって、たしかに子どもたちの小学校入学後のIQや学力テストの成績が上昇したことがわかりました。
ですが、その後も観察を続けると、ペリー幼稚園プログラムを受けた子どもとそうでない子どものIQの差は、小学校入学(6歳)とともに小さくなり、ついに、8歳前後で差がなくなったのです…。
(つまり、あれだけ手厚いサポートを受けてもIQの差は小学校入学後に差が縮まる可能性があるのです…)
この結果を受けて、ヘックマン教授は、子どもの将来に大きな影響を与えるのは「IQ」だけではなくて、忍耐力や自制心、好奇心などの”非認知能力”であるとし、ペリー幼稚園プログラムではこの非認知能力が鍛えられたと結論付けられました。
もちろん、だからといって、知能を育てる意味がないということではありません。
ですが、それと同じくらい、非認知能力が大切だと教えてくれるきっかけの研究になりました。